暗い夜間の運転は、昼間よりも危険が大きくなります。走り慣れた道でさえも風景が異なるため、思わずヒヤっとした経験のある方も多いでしょう。夜間運転中の事故を防ぐためには、昼間との違いを意識し、より安全運転を心がける必要があります。
夜間特有のリスクの中でも、最大の問題はやはり視界の悪さです。見えるのは基本的にライトで照らされている前方のみとなり、視界は90°程度しかありません。そのため、歩行者や自転車の存在に気づきにくく、事故が発生しやすいのです。
また、夜間は周囲が見えにくいことから、スピードを実際よりも遅く感じます。その影響で、気づかないうちにスピードを出してしまいがちになり、大きな事故につながるのです。さらに、自車と対向車のヘッドライトの光が重なって反射しあい、間にいる歩行者などが見えなくなってしまう「グレア(蒸発)現象」にも注意しなければなりません。
このような状況で安全に運転するためにも、夜間はスピードメーターを常に確認し、日中以上に十分な車間距離を取って走りましょう。巻き込み確認はしっかりと目視で行い、曲がる時は慎重にハンドルを切るのが基本です。無理な右折・左折は避け、歩行者や自転車、対向車をやり過ごしてから曲がるようにすれば、事故のリスクを大きく抑えられます。
そして、ヘッドライトのハイビームとロービームの使い分けも大切です。ハイビームは前方100mを照らせるため見通しがよくなりますが、明るすぎて他の車や歩行者に迷惑をかけ、逆に事故のリスクを高めることもあります。対向車や先行車がいない場合はハイビーム、交通量の多い市街地を走る場合や対向車・先行車がいる場合はロービームと、こまめに切り替えて走りましょう。